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AuthenseIP News Letter Vol.12


大谷翔平選手の愛犬「デコピン」の商標は誰の手に?


著名人の発する言葉や関連する話題が第三者に出願されることは、度々起こることではありますが、53ー53を達成した大谷選手の愛犬の名称も例外ではないようです。


2023年12月頃から、「デコピン」の名称が、被服やカバン、おもちゃなどの分野で、複数の出願がなされていますが、特許庁からは拒絶理由通知書が発せられ、登録とはなっておりません。


予想としては、大谷選手と関連のある商品やサービスと誤認するといった理由や、公序良俗違反などの拒絶理由か、と思いましたが、特許庁の発した理由は違いました。


「デコピン」の名称は、大谷選手の愛犬の名称として流行しており、広く不特定多数の人に使用されているから、独占に適さない(識別力がない)商標であるとの判断です。


なるほど、予想とは違った判断ではありましたが、確かに使用例が多く、そのような判断もあるかと思います。なお、もしも、大谷選手が自ら出願をした場合には、どうなるのでしょうか?同じような、拒絶を受けると思いますか?ぜひ、考えてみてください。


ちなみに、エステー株式会社など、いくつかの会社が「デコピン」という商標をずいぶん前に取得していたようですが、もちろんこれらの商標については、引き続き権利があります。これらの会社とコラボしたら面白いですね。


大谷選手といえば、「SHO TIME」がその愛称等としてよく知られていますが、こちらについても、他者が出願し、拒絶されている例があります。拒絶の理由をみると、特許庁の判断は出願された時期で変わっているようです。


「SHO TIME」の拒絶理由については、「デコピン」と同様に識別力がない(2022年出願)とするものもありましたが、それ以外にも、公序良俗違反(2018年出願、2023年出願)や大谷選手と関連のある商品等であると誤認する、といった理由(2023年出願)でも拒絶されていました。


そのときの大谷選手の知名度やこの名称の流行の程度等を考慮して検討されているのでしょうか。商標における判断は、そのときそのときで流動的なものだということが伺える一件でした。


ところで、冒頭で『53ー53を達成・・』と記載しましたが、この記事を書いている間にもホームランの数が更新されていき、記事の内容は24日時点の記録までにしよう、、とあきらめたのは裏話です。この記事が配信されるころにはもっと記録が更新されているかもしれません。



2024月9月24日

弁理士 淡路里美





大谷翔平選手の愛犬「デコピン」の商標は誰の手に?

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